誠一の日常は、近所に越してきた浪人生によって、音もなく崩れ始める。人懐っこい笑顔で母の心を溶かし、聖域だったはずの我が家に入り込んだ侵入者。 誠一は、見てしまう。ドアの隙間から漏れる光の中で、知らない男に身を委ね、聞いたことのない甘い声で喘ぐ母の姿を。 嫉妬に狂い、喪失に絶望するはずの誠一の身体は、しかし、裏切るように熱く昂ぶっていた。
総字数 約6500字
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(試し読み1)
自動ドアが開くと、聞き慣れた、しかし少しだけ弾んだ声が誠一の耳に届いた。声の主は、レジ前で話している母親だった。その隣に、誠一とさほど年の変わらない青年が立っている。「本当に助かります。この辺、まだ慣れてなくて」人懐っこい笑顔で話しかけているのは、瞬と名乗る青年だっ ・・・・・・・ 続きを読む
