母親に抱く、淡くもふらちな欲望。うっかり口に出してしまったその一言が、日常を溶かす引き金だった。咎めるどころか、「男の子は誰だってそう思うものよ」とすべてを肯定し、優しく包み込む母・あおい。その異常なまでの母性は、やがて息子が長年抱き続けた妄想を、現実のものとしていく……。これは、言ってはいけない言葉から始まる、母と息子の倒錯的で甘美な共犯関係の物語。
総字数 約5000字
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(試し読み1)
リビングで雑誌を読んでいると、ソファの反対側に座る息子から、熱のこもった視線が注がれる。そして、ほとんど聞き取れないほどの声が漏れた。「母さんと、セックスしたいなぁ……」
その言葉は、あおいの心に波紋を広げた。驚きと、どこか腑に落ちるような感覚。あお ・・・・・・・ 続きを読む
