
―「もう一人の赤ちゃん」になった僕と、母さんの「聖域」での密会。―
ベビーパウダーとミルクの匂いが充満する家。受験を控えた学生の拓海は、妹の誕生で母性が増した母・真由美の、女としての気配に強く惹きつけられていく。ある日、彼は母の秘密を目撃し、二人は週に一度、「授乳」という名の密会を始める。
「母親」としてのプライドと、「女」としての欲望。葛藤の末に、二人が踏み出した最後の一線とは――。母乳の温もりと、歪な愛が織りなす、背徳の物語。
総字数 約15,000字(読了時間 約30分)
〈本文より抜粋〉
―変化した母の気配―
五ヶ月前に新しい命が加わって以来、廊下を歩けばベビーパウダーの粉っぽさと、ミルクの甘酸っぱい匂いが、逃げ場のないほど濃密に漂う ・・・・・・・ 続きを読む