■作品コメント
「ただのダンスの先生だよ?」
彼女がそう笑ったとき、
俺も本当にそう思っていた。
仕事と家を往復する毎日に退屈していた彼女・アヤが、
新しい趣味として始めた社交ダンス。
最初は週に一度。
楽しそうな彼女を見て、俺も素直に応援していた。
相手は十五歳年上、41歳のダンス講師・シン。
「先生と踊ると、なんか勝手に動けるんだよね」
レッスン後の居残り練習。
二人だけの個人レッスン。
大会のペア。
そして、練習後の二人きりの食事――。
気づけば彼女の口から聞く「先生」の名前は、
少しずつ増えていった。
それでも彼女は笑う。
「先生だよ?」
「十五歳も上だよ?」
「変なことなんてないって」
俺も、それを信じようとしていた。
――ただの習い ・・・・・・・ 続きを読む




