
二十年近く「母親」を続けてきた月城沙織。夫からは長く女として扱われず、心も体も空白のままだった。
ある日、洗濯の取り違えで息子・樹のブリーフを穿いてしまう。布に残る若い男の気配が、沙織の理性を音を立てて崩していく。
夜、彼女は樹の部屋へ入った。最初はキス。次に、丁寧で執拗な舌。浅く、ゆっくりと繋がれ、根元まで受け入れたとき、沙織は母親であることをやめた。
翌朝、硬く起きた息子を口で迎え、すべてを飲み干す。そして約束する――朝は口で、夜は中で。これは二人だけの日課だと。
夫には言えない。誰にも言えない。
砂のように崩れた「母親」のあとに残ったのは、月城樹の女としての沙織だけだった。
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