
冷酷な夫の無関心と不実に傷つき、泣き崩れる母・沙織。その華奢な肩を抱きしめた二十歳の大輝の胸に芽生えたのは、歪んだ庇護欲と抗えない男の情欲だった。嵐の夜、看病の熱と孤独に耐えかねた母が求めたのは、実の息子の逞しい身体。一度踏み越えた境界線の先、親子という倫理を捨て去った二人は、甘美なる背徳のゆりかごへと堕ちていく。
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〈本文より抜粋〉
暗闇の中に、ぽつんと立つ沙織の背中があった。
冷蔵庫の僅かなインジケーターの光に照らされた彼女の肩は、寒さからではなく、耐え難い屈辱と悲しみで激しく震えていた。
沙織は、声を殺して泣いていた。
蛇口から滴る水滴のように、静かに、しかし絶え間なく溢れる涙が、彼女の美しい頬 ・・・・・・・ 続きを読む