「妻が俺を家畜に堕とす。嘘っぱちの愛を囁きながら。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
最近、菜緒は目に見えて変わった。
外出の頻度、露出の激しい服装、強い香水、俺に投げかける視線。
だから浮気にはすぐ勘付いた。
そいつにどれくらい思い入れているのかも、見当がついた。
問い詰めるべきだとは思った。糾弾すべきだと。
だが出来なかったのは、怖かった、というのが一つ。
それから、薄く笑った表情で甘く囁いてくるこの言葉。
「ねえ、今夜もシようよ。」
俺は聞く度に、浮気は杞憂であると自分に言い聞かせていた。
他に男がいるのに、毎晩のように俺を求める筈がない。
―――そうやって自分を誤魔化した。
・・・・・・・ 続きを読む




