「形だけの儀式だから大丈夫」
そう微笑んでいたのに……。
東京で同棲中の陽介と澪は、結婚報告と祝言のため、
七年ぶりに澪の故郷・御影村へ帰った。
名水で有名なだけの、どこにでもある村。
その村で代々続く「神嫁の儀」
社で十日間、花嫁が禊を受ける村の伝統。
「陽介の隣にいるのに……私は……」
彼の隣で布団を濡らし、朝には何事もなかったように笑う澪。
日に日に「神嫁」へと作り変えられていく姿。
幼なじみの朱音は、何かを知っているようだが……。
村を潤す名水「御影霊水」。
代々続く「神嫁の儀」。
――表向きの名声と、千年の伝統。
その奥に隠されたものを、陽介は見てしまう。
見てはいけなかった。
でも知ってしまった以上、もう、後戻りはできな ・・・・・・・ 続きを読む









